省エネ法改正で太陽光設置が義務になる

目次

省エネ法改正で太陽光発電の設置が義務になるのか、不安に感じている工場長もいるでしょう。すべての工場に一律で設置義務があるわけではありませんが、一定規模以上の事業者には、報告や計画づくり、非化石エネルギーへの転換に向けた対応が求められます。

省エネ法改正で工場に求められること

対象は一定規模以上の事業者

省エネ法は、原油換算で年間1,500kl以上のエネルギーを使用する事業者に、エネルギー使用状況の定期報告や計画策定を求める法律です。対象になるかどうかは、工場単体だけでなく、事業者全体の使用量で判断する場合があります。

非化石エネルギーも報告対象になっている

令和5年(2023年)4月から、省エネ法の報告対象に非化石エネルギーが加わりました。これにより、省エネだけでなく、非化石エネルギーへの転換や電気需要の最適化についても、計画や報告の中で扱う必要があります。太陽光発電は、その対応策の一つとして検討される設備です。

参照元:資源エネルギー庁|省エネ・非化石転換法の概要 (https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/amendment/index.html)

太陽光は「一律の設置義務」ではなく有力な選択肢として考える

義務化という言葉を誤解させない

原油換算で年間1,500kl以上のエネルギーを使用する特定事業者等には、非化石エネルギーへの転換目標や使用状況の報告が求められます。ただし、制度上は太陽光発電の設置そのものを義務づけているわけではありません。太陽光発電は、非化石エネルギーへの転換を進める有力な手段の一つと位置づけられています。

参照元:資源エネルギー庁|省エネ・非化石転換法の概要 (https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/amendment/index.html)

太陽光が向く工場と向かない工場がある

太陽光発電が向くかどうかは、屋根面積、耐荷重、日射条件、昼間の電力使用量、系統連系、保守体制によって変わります。屋根が広くても、自社で使い切れる電力量が少なければ、導入効果は見込めないでしょう。制度対応だけでなく、工場ごとの条件を見て判断することが大切です。

対象になりやすい工場・事業者

工場単体ではなく事業者単位で見る

省エネ法では、一定規模以上のエネルギーを使う事業者が対象になります。複数の工場や事業所がある企業は、1拠点だけでなく全社の使用量で見られる点に注意が必要です。工場単体では対象外に見えても、全社で合算すると該当する場合があります。あわせて、工場・事業場ごとの区分も確認しましょう。

社内で確認すべき資料

対象かどうかを見るときは、過去の定期報告書、電力請求書、燃料の使用量、CO2排出量、設備更新の予定などをそろえます。資料を見比べると、自社がどれだけエネルギーを使っているか、どこに見直しの余地があるかをつかみやすくなるでしょう。設備部門だけで抱えず、法務・総務・経理とも連携して全社の情報を集めることが大切です。

参照元:資源エネルギー庁|工場・事業場の省エネ法規制(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/factory/classification/)

太陽光導入を検討する前に確認すること

設備面の確認

太陽光発電を検討する際は、屋根の広さだけでなく、重さに耐えられるか、防水に問題がないかも見ておきます。築年数、日射条件、パワーコンディショナーの置き場所、点検しやすい動線まで押さえると、工事後の負担を想定しやすくなるでしょう。

経営面の確認

経営面で見るのは、昼間にどれだけ電気を使うか、自家消費できる割合、契約電力への影響です。PPA・リース・自己所有では、初期費用や契約期間、管理責任が変わるため、補助金の有無や投資回収年数もあわせて比べましょう。稟議では、電気代削減だけでなく、契約条件まで説明できる状態にしておくことが重要です。

停電時利用の確認

太陽光発電を停電時にも使いたい場合は、自立運転、蓄電池、切替盤などを含めて設計を見ておきます。通常時の自家消費と、BCP用途のバックアップ電源では目的が別です。どの設備へ、どの程度給電したいのかを先に確認しましょう。

省エネ法対応と太陽光導入の進め方

現状把握から始める

まずは、エネルギー使用量、CO2排出量、電力使用量、省エネ余地を把握します。太陽光発電ありきで進めるのではなく、どの設備が多くのエネルギーを使っているかを見ることが大切です。現状を見える化すれば、省エネ対策を先に進めるべきか、太陽光発電を組み合わせるべきか判断できます。

計画・報告に反映する

太陽光発電の導入可能性を調べた結果は、中長期計画や定期報告に反映する材料です。制度対応と設備投資を別々に進めると、予算取りや本社への説明が難しくなるでしょう。非化石エネルギーへの転換方針、電気代削減の見込み、設備更新の時期をあわせて整理しておけば、稟議に進めるか、設備更新計画に組み込むか、いったん見送るかを判断できます。

アンケートでは42.3%が省エネ法改正を知らなかった

自社調査では、2026年4月施行の省エネ法改正について「知らなかった」と答えた人が42.3%でした。「名前は聞いたことがある程度」も22.7%あり、制度の概要や自社への影響を十分に確認できていない工場も少なくないと考えられます。

一方で、「知っており対策している」は18.7%にとどまりました。省エネ法改正では、対象事業者や報告内容、非化石エネルギーへの対応など、確認すべき点があります。太陽光発電は一律の設置義務ではありませんが、制度対応や中長期の省エネ投資を考えるうえで、早めに検討しておきたい選択肢です。

※調査時期・調査対象数・調査方法・調査エリアは東京担当者にて後日記載※

法改正対応をきっかけに選ばれる工場へ近づけよう

省エネ法改正によって、すべての工場に太陽光発電の設置が一律で義務づけられたわけではありません。まずは自社が対象事業者に該当するかを確認し、エネルギー使用量や設備の状況を踏まえて、省エネ対策と非化石エネルギーへの転換を検討することが大切です。太陽光発電は、その選択肢の一つとして有効かどうかを見極める設備といえるでしょう。

制度対応をきっかけに方針を整理できれば、電気代削減、CO2削減、取引先への説明、補助金申請の準備にもつながります。何から始めるべきか迷う場合は、工場省エネ対策大全を参考にしてください。

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