工場省エネ対策事例集

目次

工場の省エネ対策は、照明をLEDへ切り替えるだけでは完結しません。当メディア編集チームが実施した電話による独自アンケート調査では、電気代の高騰、暑熱環境の改善、CO2対応を背景に、空調、コンプレッサー、太陽光、断熱などを組み合わせて見直す工場が目立ちました。

本記事では、電話による独自アンケート調査で得た匿名事例を掲載しているほか、集計結果に基づく取り組み傾向やつまずきやすい工場の共通点、パートナー企業選びのポイントを解説しています。

※調査時期・調査対象数・調査方法・調査エリアは東京担当者にて後日記載※
※削減額・削減率・投資回収年数は調査対象企業の自己申告値であり、工場規模や設備条件によって異なります。

社員の声をきっかけに空調と照明を見直した事例

暑さに関する現場の声は、空調と照明を同時に見直すきっかけになります。電話による独自アンケート調査では、空調の効きが良くないという社員の意見を受け、LED更新と空調設備の見直しを進めた工場がありました。

自己申告では、年間削減額約100万円、削減率40%、投資回収4年という結果です。LED化は消費電力の削減だけでなく発熱の抑制にもつながるため、暑さの声が出ている工場では、照明と空調を別々に考えない視点が欠かせません。

使用量の見える化と設定ルールで運用改善を積み重ねた事例

省エネ効果を継続させるには、設備更新だけでなく使い方の管理も重要です。電話による独自アンケート調査では、月1回の使用量報告を続け、夏は26度、冬は25度を目安に空調設定を管理しているという回答がありました。

自己申告では、LED・空調設備の更新と合わせて年間削減額約200万円、削減率35%という内容です。使用量の見える化が進むと、削減できた理由を社内で共有しやすくなります。担当者任せにせず、月次の運用ルールへ落とし込んだ点が特徴といえるでしょう。

コンプレッサー更新を経営方針と結び付けて進めた事例

コンプレッサー更新は、経営方針と結び付けることで承認を得やすくなります。ある工場では、CO2削減とコスト削減が経営方針に含まれており、実行項目としてコンプレッサー更新を進めたという回答がありました。

自己申告の数値は、年間削減額約500万円、削減率15%、投資回収5年です。コンプレッサーは電力負荷が大きいため、効果が見込めれば社内説明の材料にもなりやすい設備。単なる老朽化対応ではなく、経営計画の実行項目として位置付けることが重要でしょう。

太陽光発電導入を節電意識の向上や対外訴求にもつなげた事例

太陽光発電は、削減額だけでなく社内外への波及効果も評価されやすい設備です。電話による独自アンケート調査では、発電量を表示したことで社員の節電意識が高まり、周辺住民へのアピールにもなったという声がありました。

自己申告では、年間削減額約150万円、削減率25%、投資回収10年という内容です。アンケートでも、評判向上、営業アピール、新聞記事での紹介、受注増への寄与など、社外反応に触れる回答が複数見られます。投資回収年数だけで判断せず、脱炭素対応や広報効果まで含めて検討したい設備といえるでしょう。

工場省エネの取り組み傾向

電話による独自アンケート調査300件で実施済み対策として多かったのは、LED照明への切り替えでした。実施率はLED照明79.7%、空調設備の更新・増設40.3%、太陽光発電設備の設置28.3%、屋根・外壁の断熱26.7%、コンプレッサー更新20.7%です。

目的では、電気代・エネルギーコストの削減が69.7%で最多となっています。続いて、社員の働く環境改善40.7%、熱中症リスクの低減36.3%、CO2削減対応35.0%という結果でした。コスト削減だけでなく、暑さ対策や人材定着まで含めて判断している工場が多い傾向です。

省エネ対策が進んでいる工場に共通する進め方

省エネ対策が進んでいる工場では、小さく始めて数字で示す進め方が目立ちます。社内説得で有効だった方法は、電気代削減のシミュレーションで説得したという回答が36.2%で最多でした。自由回答でも、低予算でできる対策から始めて効果を実証した、回収年数を具体的に示した、実際に現場を視察してもらったといった声が出ています。

いきなり大きな設備投資を提案するより、数字と現場感をそろえて説明するほうが通りやすいでしょう。暑さ対策では、作業しやすくなった、熱中症になる社員が減った、会話しやすくなった、夏場の生産性が上がったという回答も確認されました。省エネだけを前面に出すより、作業環境の改善や安全配慮と一緒に説明することが重要です。

省エネ対策がつまずきやすい工場の共通点

費用対効果が試算できずに検討が止まる

省エネ対策が止まりやすい工場では、費用対効果を具体化できていない傾向があります。進まなかった理由では、予算が確保できなかったという回答が48.0%で最多でした。自由回答でも、設備投資を回収できるかが不安、電気代の計上内訳が把握できないため試算できないといった声が確認されています。

光熱費の総額しか見えていない場合、どの設備を削減対象にするかを切り分けられません。担当者レベルで企画を前に進めるには、設備別の使用量や削減余地を把握することが出発点です。

操業を止める時期の判断が難しい

大規模工事では、施工タイミングの判断が大きな不安材料になります。電話による独自アンケート調査では、操業と並行して工事をすること、一時的な部分停止の影響、工事中の作業場所の確保、追加コストの発生を心配する声が挙がりました。

特に暑さ対策や電源設備更新は、停止時期を誤ると生産計画に影響します。公開事例を見る際は、採用設備だけでなく、停止時間、施工タイミング、仮設対応の有無まで確認しましょう。

省エネ対策を成功へ導くパートナー企業選びのポイント

パートナー企業選びでは、価格だけでなく説明のわかりやすさや支援範囲も重要です。重視された項目は、見積もりの透明性・わかりやすさ62.9%、補助金申請のサポート57.1%、施工実績・事例の豊富さ51.4%でした。

自由回答では、どの企業が信用できるか分からない、口コミが信用できない、価格差が大きい、アフターサービスまで含めて付き合えるか不安といった声も出ています。工場稼働への理解、補助金対応、施工後の保守まで確認しておくことが欠かせません。

工場省エネ事例を自社の検討に落とし込む手順

工場の省エネ対策事例を参考にする際は、以下の手順で自社の検討に落とし込んでいくのがおすすめです。

  1. 自社と近い課題を抱えている事例を選ぶ
  2. 設備単体ではなく、運用改善も含めて試算する
  3. 停止時間、補助金、保守体制、見積前提条件などを施工会社や設備メーカーに確認する

工場の省エネ対策は、単発の設備更新だけで完了するものではありません。現場課題、運用ルール、投資回収、施工体制まで含めて見ることで、自社で再現しやすいパートナーを選びやすくなります。事例の内容と現場の悩みや進め方を照らし合わせながら、次に着手すべき対策を絞り込んでいきましょう。

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